『家計簿はつけているんだけど...』　　　　　　　　　　　         
　　　　　　　　　家計改善のために,意識すべきこととは？

　家計の支出としては,大まかに３つに分類できます。　　　　　　　　　　　　　　　　　

【固定支出】＝衣・食・住など,生活に密着した支出　　　　　　　　　　　　　　　

【自由裁量支出】＝娯楽・レジャー・趣味・教養など,日々の生活を豊かにするための支出

【資本的支出】＝中～長期かけて,家計に利益と利潤をもたらす支出・・・という３つです。

　(固定費と流動費の,２つくくりでお伝えすることもあります)　　　

　この３つの内【資本的支出】とは,『数年～数10年に一回』という頻度で“大きな支出”というのが特徴です。次の２点で考えてみましょう...。

A ; あらゆる資格取得のために学校へ通う・セミナーに積極的に参加する...などの自己投資であり『現在の自分の能力と,技術向上～将来の収入を増やす』などを目的とした,支出といえます。

B ; 一度購入すると用は足りる“家具”や,何年かに一度の買い替えとなる“家電製品”もあります。たとえば4～5年前に購入したパソコンの動作が不具合になり⇒買い替えることにより⇒仕事の効率向上⇒時間的なゆとり⇒収入アップにつながる...13～15年使った冷蔵庫を買い替える⇒電気代が安くなる⇒安くなった電気代の13年間の累計額が,新しい冷蔵庫の額より大きくなった...というイメージでしょうか。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Aから導く答えとして,一時的にまとまった支出を⇒毎月定期的にかかる子供の教育費・新聞・書籍代と同じ扱いをしていては『とある月は,教養費が非常に高く別の月はそうでもない...』ということになり,傾向そのものがつかみにくくなってしまうのです。　

Bから考えられる答えは,日用品と混同し計算を同じ分類にしてしまうことでその年の家計の支出が分析・確認しにくくなってしまうことなのです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ポロシャツ・Tシャツ・ジーンズ・下着などの購入する費用は【被服費】とよばれますが,滅多に着ない？であろうタキシード・燕尾服などと季節ごとに活躍するコートやスーツなどは,上記【資本的支出】とし計算します。

　これらのものは“高額”な場合も多く,月々の支出として費用を計算・計上してしまうと被服費そのものに大きなバラつきが発生します。『どのような衣類が,資本的支出なのか？』を判断するのは困難かもしれませんが,たとえば“5年ほど買い替えないもの”・“計画的に貯えをおこない買うもの”は⇒資本的支出として,計算していくとよろしいでしょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　お伝えしましたように【資本的支出】は⇒日々の支出とは,別のものとして計算する必要があります。なぜならば,家計の傾向把握は資本的支出のためにおこなっているという見方ができるからです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　家計の把握の目的は,そのことによって月々の貯蓄額を決め⇒貯まったお金を資本的支出にまわし⇒収入を増やし⇒貯蓄額を増やす...という,正の循環によって家計をひたすら良くしていくことだからなのです。

　この章をご覧いただきながら【資本的支出】を意識し,日々考えながら家計管理に役立ててみてはいかがでしょうか。イメージがつかめたところで『ライフプランニング』を実践なさってみることによって,更に具体的な将来像が見えてくることと信じております。